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東下組地区 田近泰菜

「嫌だったら帰ればいい」から始まった、十日町での暮らし



神奈川県川崎市出身。

柔道整復師として13年間働いた田近さんは、仕事を辞め、十日町市東下組地区の地域おこし協力隊に飛び込みました。「移住するつもりはなかった」と語る十日町市での暮らしは、地域の人との関わりの中で、いつの間にか”居場所”へと変わっていきました。


今回は、田近さんが十日町に来たきっかけから、地域での活動、そしてこれからについて、対談形式でお届けします。



田近泰菜さん 拠点の下条公民館前にて
田近泰菜さん 拠点の下条公民館前にて


(里山プロジェクト平本)柔道整復師を13年務めたとのことですが、仕事を辞めることに迷いはありませんでしたか?


(田近)全然ありませんでした。その仕事しかしてこなかったので、「このままだと生きる力が弱いんじゃないか」と思ったんです。だったら、違うことをいろいろやってみようと。やりたい・行きたいっていう気持ちに対するバイタリティは、やっぱり若いうちにしか出せない。だから、若いうちにしかできないことをしようと思って来ちゃいました。


(平本)勢いって大事ですもんね。なぜ十日町に?


(田近)友人のお母さんが十日町市出身で、その親戚の方も十日町に住んでいたので、遊びに来たことはあったんです。全く知らない場所より、何かあったときに頼れる人がいる方がいいなと思って、十日町を選びました。


(平本)協力隊より先に、まずは十日町への移住を考えたんですか?


(田近)いえ、移住するつもりは全然なくて、「嫌だったら帰ればいいでしょ」くらいの軽い気持ちでした。だから移住なんて全く考えてなかったんですけど、気づいたら3年目になっていました。


(平本)そのくらいの気持ちのほうが、意外と良いかもしれませんね。


(田近)そうですね。まずは健康第一です。


インタビュー風景。里山プロジェクト平本(左)と田近泰菜さん(右)
インタビュー風景。里山プロジェクト平本(左)と田近泰菜さん(右)

(平本)地域おこし協力隊は、どんなきっかけで知ったんですか?


(田近)飛渡にいる、友人の親戚の方が教えてくれました。もともとは飛渡地区の協力隊を希望していたんですが、その時点で3名の着任が決まっていて。すると、「飛渡の近くの東下組が募集している」と東下組地区の方が声をかけてくれたんです。

東下組は全く知らない地域でしたが、来てみたら「とりあえずお茶飲んでいきな」という感じで受け入れてくれて。十日町のことをほとんど知らなかったので、誘ってもらえたことで、とても入りやすかったです。

大地の芸術祭などで外部の人を受け入れてきた土壌があるので、間口はすごく広い地域だと思います。もちろん思うところはそれぞれあるのかもしれませんが、それを表に出さず、地域全体で受け入れてくれていると感じます。


(平本)東下組はどんな地域ですか?


(田近)団結力が強いと思います。イベントで「これをやろう」と決まると、準備から片付けまで本当に早い。男しょ(男性陣)も率先して動いてくれます。

それから、先ほども話に出ましたが、間口がとっても広い。「うぶすなの家」や「慶地の棚田」があることも大きいですね。「慶地の棚田」は夏になるとバイクで訪れる人も多くて、天気がいい日は八海山や苗場山まで見えるそうです。


慶地の棚田



(平本)「慶地の棚田」には展望台もありますよね。「うぶすなの家」はどんな場所なんですか?


(田近)大地の芸術祭の作品で、宿泊もできる施設です。冬場は閉まりますが、それ以外の時期は利用できます。芸術祭会期中(通年プログラムを含む)は、地域のお母さんたちが運営する古民家レストランになるんですよ。

春は山菜御膳、秋は新米など、季節ごとの料理が楽しめます。11月頭で閉まりますが、その前には収穫祭もあります。とにかくおすすめです。お米はおかわりできます。


(平本)十日町はお米も山菜も本当においしいですよね。


(田近)山菜は採るのも楽しいし、食べてもおいしい。ただ、最初は感動しますけど、3年目くらいになるとちょっと飽きてくる(笑)。

でも冬になると、またフキノトウが恋しくなるんですよ。ありすぎて絶対飽きるのに、あの苦味が欲しくなる。コゴミもそうですね。

ただ、山菜を採る人は年々減っていて、特に国産のゼンマイは貴重です。地域の大切な財産なので、若い人たちにも採り方や知識を知ってもらえたらいいなと思います。



うぶすなの家のごっつぉ(ごちそう)
うぶすなの家のごっつぉ(ごちそう)

うぶすなの家ウェブサイト https://www.echigo-tsumari.jp/art/artwork/ubusuna_house/



(平本)11月の「十日町市地域おこし協力隊フェス」では、入口近くのブースで山菜や野菜を販売していましたよね。普段の活動でも販売を?


(田近)はい。「とおか市」で販売しています。もともと活動目標ではなかったんですが、地域の方に声をかけてもらって始めました。着任したばかりの頃は何をしたらいいか分からなかったので、「とにかくやってみます」と。それが続いて、気づけば丸2年です。


(平本)協力隊が入ることで、地域の動きがスムーズになることもありますよね。お休みの日はどう過ごしていますか?


(田近)地域の方に誘ってもらって、桜を見に行ったり、リンゴ狩りに行ったりします。誘ってもらえるのは本当に嬉しいので、無理がない限りは「行きます!」って。


(平本)休日の過ごし方はもちろん人それぞれで自由ですが、田近さんの場合はそうした関係性が、活動のしやすさにも繋がっていそうですね。任期後のことは考えていますか?


(田近)来た当初は「3年で帰ろう」と思っていました。でも今は、それ以外の道も模索しています。3年もいると、やっぱり愛着が湧くんですよね。

普段はご高齢の方と接することが多いですが、イベントでは若い人や帰省した人とも話せる。たくさんの方と関わって、少しずつ、地域への愛着が増えていきました。


(平本)定住の声をかけられることも?


(田近)あります。「1年でも2年でもいいから残ってね」って言ってくれるんです。

ただ、最初は本当にくじけそうでした。天井裏から動物の足音がして。虫や動物が得意じゃなくて、一度は地域の方に泣きついたこともあります。でも「それが無理なら無理だな」って言われて、逆にスイッチが入りました。「これだから都会の人は」って思われたくなくて、「意地でも居てやる」って。


(平本)生き物には慣れましたか?


(田近)ほんのちょっとだけ(笑)。でも、そこで迷っている人がいるなら来てみた方がいいと思います。最初は怖いしドキドキしたけど、あとから振り返ると面白いし、話のネタにもなります。


(平本)最後に、移住や協力隊を検討している方へメッセージをお願いします。


(田近)迷っているなら、とりあえず来てみてほしいです。案ずるより産むが易し、習うより慣れろです。嫌だったら帰ればいい。協力隊は最長3年なので、いろんな意味でちょうどいい長さだと思います。ぜひ東下組へお越しください!


十日町市地域おこし協力隊フェスの様子(田近さんのブース)
十日町市地域おこし協力隊フェスの様子(田近さんのブース)


はじめは「嫌だったら帰ればいい」と思っていた田近さん。地域の方と過ごすうちに、協力隊としての活動も3年目を迎えました。田近さんの人当たりの良さと、地域の懐の広さが、うまく重なっていったのかもしれません。


もちろん、人によっては田舎暮らしが合わない方もいます。

まずは気になったら、「おためし協力隊」として十日町においでください。

ここで暮らしていけるのか、協力隊として活動していけるのか……

ぜひご自分の目で、感覚で、確かめてみてください😊





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